スキルや知識を売り買いできるスキルマーケット「ココナラ」を運営する、株式会社ココナラ。同社のサービスはプライベートやビジネスなどあらゆる場面で活用され、2012年1月の 設立以来、収益規模を急速に伸ばしてきました。しかしその一方で、情報の持ち出しや紛失盗難などへのリスク対策を行ってはいたものの、より高いレベルを目指して、更なる改善の余地がありました。この課題に対処するため、同社ではNetskopeを導入。データの流れを 可視化することで、効率的・効果的なリスクの解消を目指しています。
インターネットで自分のスキルや知識を売買できる「ココナラ」。悩み相談やオンラインレッスンといったプライベートなジャンルから、Webデザインやコンサルティングなどのビジネスジャンルまで幅広くカバーしており、サービス開始から約10年でユーザー数が500万人に達するなど人気を集めています。
一方、ココナラの事業規模が拡大するにつれて、顕在化してきたのがセキュリティリスクです。システムプラットフォーム部 部長 / Head of Information、川崎 雄太氏は次のように振り返ります。
「当社は2021年3月に上場しましたが、当時はいわゆる『ひとり情シス』でした。情報セキュリティについて体系立てた対策があまりできておらず、特に情報の持ち出しや紛失・盗難へのリスクへの対策は行っていたものの、より高いレベルを目指して、更なる改善の余地があると考えておりました」。
また、情シス部門にセキュリティの専門家が在籍していなかったココナラでは、あらかじめ計画的なセキュリティ対応ができず、結果として問題が発生した後に対処する「問題ドリブンなリアクティブな対応」(川崎氏)に終始していました。
まずは課題を明らかにするために、「セキュリティの目指すゴールとはなにか」「どういうところに課題があるのか」などを一つひとつ細分化して、交通整理を進めていった川崎氏。その結果、情報の不正持ち出しや盗難・紛失への対策が個別最適になっており、更なる改善の余地があることがわかったといいます。
「たとえば情報をメールに添付して個人のメールアドレスに送ることや、個人のGoogleドライブに社内のデータをアップロードすることについて厳格な社内ルールはありましたが、持ち出し行為への可視化やロギングに改善の余地がありました」。
当時話題になっていたSASEのソリューションは、一通り調べました。その後、Netskopeをはじめ6製品くらいをピックアップして、費用とか導入の容易性、他社事例などを多角的に比較しました。
課題への打ち手として川崎氏が注目したのはCASB機能であり、SASE製品でした。
「当時話題になっていたSASEソリューションをすべて調査しました。その後、 Netskope製品を含む約6つの製品を選び、コストや導入のしやすさ、他社のケーススタディなど、さまざまな視点から比較しました」。
比較検討の結果、選ばれたのはNetskopeです。川崎氏は決め手となった要素について、以下の3点を挙げています。
POCでは想定以上にPCやNWが遅くなるといった課題が見つかったものの、Netskope側のヘルプ・サポートを活用して各種設定をチューニング。問題を一つひとつ解決していくことができたそうです。
「製品の比較検討をしたのが2022年の3~4月ぐらいで、5月にNetskopeを選定。その後6月から9月にかけてPOCを実施しました」。(川崎氏)
EDRと組み合わ せることで、マルウェアに対する多段防御ができるようになりました。万 一EDRのエージェントファイルが更新されていなかった場合でも、多段 防御できるというのはウイルス対策においての安心感が大きいです。
リモートアクセス製品であるNetskope Private Access(NPA)導入のため、端末にエージェントを入れることについて、社内では特に抵抗はなかったといいます。川崎氏はこのように語ります。
「以前、導入していたセキュリティソリューションが非常に重かったため、Netskopeの重さはそこまで気になりませんでした。また『うっかりデータを持ち出してしまう』というミスを自動的に防ぐことで、社員がそれぞれの仕事に注力できることは大きなメリットです。責任の大きい上場企業として、顧客の情報を守ることは絶対に必要と、経営陣も納得してくれました」。
ココナラでは、Netskope導入による定量効果、定性効果をそれぞれ実感しているそうです。
まず具体的な定量効果について、川崎氏は「不適切な情報のアップロード・ダウンロードの検知と抑止」を挙げています。「Netskope導入後にヒヤリハット事例を複数回検出しましたが、未然に防ぐことができました。ヒヤリハット事例に対してしっかり検知・アラートしてくれるので、1件1件個別にヒアリングを行い、許可する・指導を行うといったきめ細やか、かつ、適切な対処が可能になりました」。
また定性効果として、川崎氏は「安心感」を挙げます。「EDRと組み合わせることで、マルウェアに対する多段防御ができるようになりました。万一EDRのエージェントファイルが更新されていなかった場合でも、多段防御できるというのはウイルス対策においての安心感が大きいです」。
他にもNetskope側のサポートや、同じくNetskopeを導入している他社との情報交換・ユーザー会への参加によって「いろいろな知見を得ることができる」のも、大きなメリットと感じていると川崎氏は語ります。
Netskopeが最新のアーキテクチャに素早く追随することで、より 高いパフォーマンスのPCを社員に提供できます。結果として開発生産 性が上がり、当社の競争力強化にもつながります。
現在、ココナラのユーザーは500万人ほどです。同社は「遠くない未来にユーザー数1,000万名を目指す」として、さらなる急成長を目指しています。
「会員数1,000万名を実現するころには、社員数も相応に増加する可能性があると考えています。そうなると、セキュリティ対策をいっそう強化しなくてはなりません。重大なセキュリティインシデントを確実に防ぐうえで、Netskopeは最後の砦となりうるソリューションだと思っています」。(川崎氏)
Netskopeに大きな信頼を寄せる一方、川崎氏は「今後さらに期待」することとして、以下の2点を挙げてくれました。
Netskopeが最新のアーキテクチャに素早く追随することで、より 高いパフォーマンスのPCを社員に提供できます。結果として開発生産性が上がり、当社の競争力強化にもつながります」と語る川崎氏。今後 もNetskopeを活用して、従業員のIT利便性向上を目指していきます。