Netskopeは、2025年ガートナー、SASEプラットフォームのマジック・クアドラントで再びリーダーの1社として評価をいただきました。レポートを入手する
数多くの自社ブランド製品と国内外のセレクトアイテムを扱い、アパレル業界で高い知名度を持つ株式会社ユナイテッドアローズ。ヒト(高度に完成されたサービス)、モノ(厳選された商品)、ウツワ(心地よさを追求した施設・空間・環境)を通して、「お客様満足」の提供にこだわっています。そのための一環として DX を推進する同社では、オンプレからクラウドへの移行をきっかけにNetskope を導入しました。今回は導入の経緯と効果、今後の展望についてお伺いします
株式会社ユナイテッドアローズは、自社ブランドの企画・販売や、世界中からセレクトしたファッションアイテムの販売を手がけるアパレル企業です。より良い顧客体験の実現を目指す同社では、 DX 推進センターの設立、中期経営計画の主要戦略として「UA DIGITAL 戦略」を掲げるなど、全社のデジタル化に向けたさまざまな取り組みを実施。2024 年 2 月には「デジタルガバナンス・コード」の基本的事項に対応していることと、DX 推進の準備が整っていることが評価され、経済産業省が定める「DX 認定事業者」に認定されています。
一連の DX 推進において、中心となっているのは「IT ソリューション本部」です。本部長 執行役員 CIO の鈴村裕司氏はこう語ります。「会社の経営課題や経営戦略に合わせて『ITとしてはこういうことをすべき』といった方向性を考えるのが本部の役割です。それに基づいて、アプリケーション領域を担当する部署とインフラ領域を担当する部署が、それぞれ具体的なプロジェクトを進めていきます」。
インフラ領域を担う IT サービスプラットフォーム部の部長、佐藤弘明氏によると、Netskopeを導入した背景にはいくつかの要因があったといいます。「ひとつには、それまでオンプレミスで運用していたセキュリティ製品、具体的にはプロキシフィルタリング機能や無害化のソリューションなどの保守期限が迫っていました。加えて当社では、近年の働き方改革やコロナ禍の前よりクラウドへの移行を考えていたという事情もあります」。
オンプレミスからクラウドへとネットワークを移行するにあたり、同社ではそれまで使用していた SWG と RBI のリプレイスに加え、CASB の追加と、それらの統合運用を目指すことになりました。
それまでオンプレミスで運用していたセキュリティ製品、具体的にはプロキシフィルタリング機能や無害化のソリューションなどの保守期限が迫っていました。加えて当社では、近年の働き方改革やコロナ禍の前よりクラウドへの移行を考えていたという事情もあります
Netskope 導入の検討をはじめたのは 2022 年です。4 月から新しい会計年度が始まるのに合わせ、予算化や経営層への説明を進めていきました。「投資額が大きくなるため、社長をはじめとする経営層には現状のリスクと、セキュリティを強化する必要性をしっかりと説明しました」と佐藤氏は説明します。その後、経営会議での合意を経て、同年 5 月に導入に向けたキックオフが開始されました。
IT サービスプラットフォーム部では複数のセキュリティ製品を検討しましたが、以下の 3 つの点から Netskope に白羽の矢が立ったといいます。
全社への導入に先立ち、まずは IT 部門で Netskope を先行リリースして検証しました。その時点では設定の不備による小さなトラブルをいくつか経験しましたが、『もう大丈夫』という段階で全社に展開したため、スムーズな導入を実現できたのだと思います
Netskope の導入から約 2 年。全社で 2,000 台近い Windows 端末にエージェントを入れているものの、これまで大きなトラブルやユーザーからのクレームは出ていません。
「全社への導入に先立ち、まずは IT 部門で Netskope を先行リリースして検証しました。その時点では設定の不備による小さなトラブルをいくつか経験しましたが、『もう大丈夫』という段階で全社に展開したため、スムーズな導入を実現できたのだと思います」(鈴村氏)
導入後の効果については、佐藤氏はこのように語ります。
「定性効果になりますが、まずは既存の製品のリプレイスという部分で、クラウドに移行しても従来のセキュリティ要件をしっかり満たすことができています。SWG だけでなく、CASB を併用することで、クラウドサービスの利用を可視化する材料が揃ったことで、リスクのある動きの検知やそれに基づく隔離やブロックが可能になり、SOC の運用をアウトソースできるようになりました」。
すべてはお客様のためにある、という基本姿勢のもと、お客様の情報はしっかりと守らなければいけません。情報を保護し、リスクを適正に管理し、サービス、業務の効率化や利便性をたかめること、安心・安全に、便利に効率良く業務が行えるよう、IT を最大限に活用するためのセキュリティをさらに強化していきます便利に効率良く業務が行えるよう、IT を最大限に活用するためのセキュリティをさらに強化していきます
クラウドへの移行と Netskope の導入を果たしたユナイテッドアローズ。しかし同社の DX 戦略にはまだ続きがあり、現在はサプライチェーンの最適化を目的とした商品管理基幹システムの刷新と、商品調達のデジタル化への体制整備が進行中です。
また「店舗のデジタル化もさらに進めていきたい」と鈴村氏は語ります。「たとえば裾直しが終わった際にお客様に電話連絡するのですが、タイミングによってはお客様が電話に出られないこともあります。より良いお客様体験のために、お客様の都合に合わせてデジタルでお知らせするシステムが必要です」
一方、佐藤氏はセキュリティ面の強化にも注目しています。「すべてはお客様のためにある、という基本姿勢のもと、お客様の情報はしっかりと守らなければいけません。情報を保護し、リスクを適正に管理し、サービス、業務の効率化や利便性をたかめること、安心・安全に、便利に効率良く業務が行えるよう、IT を最大限に活用するためのセキュリティをさらに強化していきます」。
「製品を入れて終わりではない」と強調する両氏。Netskope の機能をさらに引き出し活用していくため、社員教育に取り組むとともに、 Netskope のサポート体制も活用していきたいと考えています。