レポートを読む:AI時代にCIOとCEOの連携を実現する方法
多彩なセキュリティ機能を備えたNetskopeを導入。通話ログやクラウドサービス利用の可視化・保護を実現し、利便性とセキュリティを両立するコンタクトセンター基盤の確立に貢献しています。
東京電力エナジーパートナーは、関東を中心に全国の家庭向けに電力・ガスを提供する、国内最大級の小売電気・ガス事業者です。電力・ガスの小売全面自由化以降、各家庭が供給会社を自由に選べるようになったことから、サービス競争が激化する環境化で、同社は「お客さま接点の質」が事業の競争力を左右すると捉え、カスタマーサービスの高度化に力を注いできました。
しかし、サービスの多様化や顧客ニーズの変化により、コンタクトセンターの業務は複雑化しています。同社 サービスソリューション事業部 受付システムグループの徳永夏樹氏は「コンタクトセンターの現場では、電話がつながりにくい、オペレーターの負荷が高い、運営コストが膨らむといった課題が顕在化していました」と話します。こうした状況を踏まえ、同社はAIを活用したコンタクトセンターの再構築に着手。定型的な対応はAIに任せ、オペレーターは人ならではの応対に集中する体制づくりを進めました。
その際に課題なったのがセキュリティの確保です。重要インフラ事業者として、エネルギー供給という公共性の高い業務を支える同社では、金融機関以上に厳格な情報管理が求められており、IT基盤の刷新とセキュリティ強化は常に表裏一体の課題でした。「幅広い年代のお客さまに対応するため、電話・Web・チャットなど複数チャネルを併用する『オムニチャネル対応』を実現し、どの顧客接点でも安心してお客さまにご利用いただける環境づくりをしていくことが重要だと考えています」(徳永氏)
Netskopeは、導入後の設定やチューニングにおいても、丁寧に画面を共有しながら一緒に対応してくれました。製品だけでなく、カスタマーサクセスの姿勢に安心してお任せできると感じました。
コンタクトセンター改革の一環としてAIの導入、クラウド活用は進み、日本各地で複数拠点が稼働している状況です。徳永氏は「応対に占めるチャットやFAQによる割合が高まってきており、拠点の柔軟な運営や応対の平準化を可能にしました」と話します。
一方で、クラウド活用を前提とするこの仕組みには、新たなセキュリティ課題も伴います。「従来はオンプレミスで運用していた電話システムをクラウドに移行する中で、機微(センシティブ)な情報の取り扱いリスクが高まりました。特に音声通話のテキスト化データをクラウド上に保存する際には、厳格なセキュリティポリシーの下で情報を保護する必要がありました」(徳永氏)
こうした要件を満たすため、同社が選定したのがNetskopeでした。1つのプラットフォームで多彩なセキュリティ機能を網羅しているため「複数の製品を組み合わせることなく、セキュリティを高めることができる」点が高く評価されました。徳永氏は「データ漏えい防止(DLP)やWeb閲覧制御(SWG)、クラウドアプリケーションに対する詳細な可視化や柔軟な制御(CASB)などをワンプラットフォームで備えており、UIも非常に分かりやすい」と話し、「私のように専門職でない人間でも直感的に扱える点が決め手になりました」と振り返ります。
さらに、選定理由としてサポート体制の手厚さも大きかったといいます。「Netskopeは、導入後の設定やチューニングにおいても、丁寧に画面を共有しながら一緒に対応してくれました。製品だけでなく、カスタマーサクセスの姿勢に安心してお任せできると感じました」(徳永氏)
毎日2~3件の検知報告があり、ほとんどが実際にマスキングすべき情報です。感覚的には90%以上、ほぼ100%の精度で検知できています。
Netskopeの導入後、特に効果を発揮しているのが、通話ログなどのテキスト化データに対するモニタリングと機微情報のマスキングです。コンタクトセンターでは、電話やチャットのやり取りが自動的にテキスト化され、応対品質向上のために分析・活用されています。その中に万が一、口座番号や個人情報などが含まれていた場合のリスクを抑えるため、Netskopeの柔軟なデータ漏えい防止(DLP)ルール設定機能を活用しています。
「たとえば、単に7桁の数字を検知するだけでは、電話番号や会員番号と誤検知される可能性があります。そこで、会話の前後に『口座』や『銀行』といったキーワードがある場合に検知するなど、Netskopeの豊富な知見に基づき、弊社のログの特性に応じた検知ルールを一緒に作ることができました」(徳永氏)。
ルールエンジンそのものの優位性に加え、柔軟なルール作成の結果、検知の精度は大きく向上。現在では「毎日2~3件の検知報告があり、ほとんどが実際にマスキングすべき情報です。感覚的には90%以上、ほぼ100%の精度で検知できています」とのこと。数回のルール改善を経て、運用面での負荷も軽減される効果も実感しています。
さらに、同社ではシングルサインオン(SSO)やモバイルデバイス管理(MDM)などの認証・端末管理基盤に加え、CRMやボイスボットなど多数のクラウドサービスを利用しており、これらのログ監視をNetskopeで一元的に実施しています。「東京にいても、地方拠点の問題をリアルタイムに把握できるので、運用効率の面でも助かっています」と徳永氏は話します。
クラウド化にあたってもセキュリティ要件は厳しくなりますが、Netskopeにより、統合的なセキュリティ対策を取りつつ、柔軟に拡張できると考えています。
今後、同社では、関東圏内にある既存のコンタクトセンターを順次クラウド化していくとしており、2025年9月から12月にかけて、東京・埼玉・千葉・茨城などの施設に段階的にAI機能を導入していく計画です。
「災害リスクに備え、すでに日本各地に拠点を設けていますが、今回は関東圏に残るオンプレミス環境の刷新が目的です。当然、クラウド化にあたってもセキュリティ要件は厳しくなりますが、Netskopeにより、統合的なセキュリティ対策を取りつつ、柔軟に拡張できると考えています」(徳永氏)
また、将来的には生成AIの活用も視野に入れています。「ChatGPTのような生成AIを業務に取り入れていく場合、教師データの安全な取り扱いが新たな課題になると思います」と徳永氏は話し、「そうしたセキュリティ要件にもNetskopeが対応してくれると安心です」と期待を寄せています。
「Netskopeは製品としても優秀ですが、サポート体制の手厚さも大きな魅力です。今後も新たなシステム導入時には、また一緒に“泥臭く”ルールづくりに取り組んでいけたらと思います」と徳永氏は締めくくります。
利便性とセキュリティを両立した、東京電力エナジーパートナーのCX高度化の取り組みは今後も続きます。