日本最大級の地方銀行として、神奈川県を中心に地域社会・お客さまとともに歩む横浜銀行。AI活用拡大、サイバー攻撃増加、ハイブリッドワーク導入などに伴い、データセンター集中型からクラウドベースのゼロトラストへとイントラネット(以下、イントラ)を刷新しました。ゼロトラストの実現ではNetskopeのSASEを採用。その決め手は、同銀行が求めるセキュリティ要件をすべて満たしていたからです。「金融分野におけるサイバーセキュリティに関するガイドライン」の方向性にも対応した新イントラは、他の地方銀行も高い関心を寄せています。
1920年創立、100年以上にわたり神奈川県を中心に地域金融機関としての責務を担う横浜銀行。横浜フィナンシャルグループの中核として、グループ企業と連携し総合的金融ソリューションを提供しています。2022年に、同グループは「地域に根ざし、ともに歩む存在として選ばれるソリューション・カンパニー」を長期的に目指す姿として掲げました。その実現に向け、2025年4月より中期経営計画がスタート。「Growth(成長)」「Empowerment(エンパワーメント)」「Sustainability(サステナビリティ)」の3つが基本テーマです。
同計画の推進力となる「Empowerment」について、横浜銀行 ITソリューション部 部長 石川久雄氏は説明します。「Empowermentでは、人的資本への積極的な投資により、『ソリューション・カンパニー』を担う人材育成に取り組んでいます。また、業務改革と生成AIなどのデジタル技術を活用し、従業員一人ひとりが能力を最大限に発揮できる環境整備に注力しています。IT観点で重要なポイントは、生産性向上とガバナンス強化です」
横浜銀行は、社外で業務を行う渉外担当も多く、なおかつ働き方の多様化に応えるためにコロナ後もリモートワークを継続しハイブリッドワークを導入。VDI(仮想デスクトップ)とシンクライアントを組み合わせた既存イントラの課題について、横浜銀行 ITソリューション部 リーダー 吉野純平氏は振り返ります。
「PC起動時の立ち上がりに時間がかり、動作も遅かったです。また、オンプレミスのデータセンターで管理をしており、災害や障害における業務継続に課題がありました。さらにAI活用の拡大、増大するサイバー攻撃への対処も必要でした。2023年に、既存イントラの課題解決に向け、イントラ刷新構想に着手しました」
PoCで検証した結果、採用の決定的ポイントとなったのは、当行が求めるセキュリティ要件を満たすことができるか。そのすべてをクリアできたのが、Netskopeでした。
イントラ刷新構想では、データセンター集中型からの脱却を目指しました。「業務パフォーマンス改善やAI活用に応えるために、センター集中型で拡張していくのは限界がありました」とITソリューション部 アシスタントリーダー 三浦友嗣氏は話し、こう続けます。
「生産性向上とガバナンス強化の両方を実現する新イントラは、オンプレミスの境界型ではなく、クラウドをベースで社内外を問わずセキュアな業務環境を実現するゼロトラストが求められました。また、金融庁が発表した『金融分野におけるサイバーセキュリティに関するガイドライン』の定義するサイバーセキュリティ対策の一要素にもなりました」
横浜銀行は、ゼロトラスト実現に向けSASE製品を絞り込み、PoC(概念実証)を実施。「PoCで検証した結果、採用の決定的ポイントとなったのは、当行が求めるセキュリティ要件を満たすことができるか。そのすべてをクリアできたのが、Netskopeでした」(吉野氏)
横浜銀行はセキュリティ要件に加え、SASEの各機能、統合されたコンソールによる運用のしやすさ、コストなど総合的観点から、2024年3月にNetskopeの導入を決定。セキュリティ統括室(現在、セキュリティ統括部)を中心にセキュリティリスクをリスト化し、それに合わせて要件定義を行い、Netskopeの機能に落し込みました。
CASB(Cloud Access Security Broker)によりシャドーITを可視化できました。また、データの閲覧、ダウンロードなど動作ごとの制御も行えるため、従業員の利便性に配慮した運用を行っています。
Netskopeをセキュリティ基盤とする新イントラでは、端末(FAT端末、タブレット)にインストールされたエージェントにより、すべての通信はインターネットを通じてSASEに接続され、ゼロトラストを実現します。2025年4月、新イントラの先行運用を開始し、2025年5月から順次本支店に約15,000台の端末を配布しました。
新イントラの全社展開では、情報の受け渡し役として各部門のITマネージャーに加え、エリアごとにアンバサダーを配置。
「アンバサダーは、Netskopeを活用したイントラ環境における相談窓口としての役割を担っています。Microsoft Teamsでオンラインの窓口も開設したのですが、顏を見ながら相談できるアンバサダーの存在は、安心感につながったと思います。またNetskope から講師を招き、ITマネージャーとアンバサダーに対し、イントラ刷新の背景やセキュリティリスク、Netskopeによる対応策などを解説してもらいました」と横浜銀行 ITソリューション部 小山玲奈氏は話します。
新イントラ環境の運用において、官公庁など取引先とのコミュニケーションでは個別対応も必要となります。「未認可のクラウドサービスなど基本はブロックですが、セキュリティ統括室とも連携し、必要に応じて設定変更やホワイトリスト設定などで調整し、従業員の要望に迅速に応えています」(小山氏)
AI利用シーンの拡大、サイバー攻撃の増加に応え、金融業務を支えるイントラの構築は地方銀行の共通課題です。新イントラへの取り組みを通じて、国内地域金融機関の課題解決にも貢献していきたいと思います。
NetskopeのSASEを活用したゼロトラストにより、クラウドベースの業務環境におけるセキュリティは大幅に強化されました。「CASB(Cloud Access Security Broker)によりシャドーITを可視化できました。また、データの閲覧、ダウンロードなど動作ごとの制御も行えるため、従業員の利便性に配慮した運用を行っています」(三浦氏)
NetskopeのSSLインスペクション機能により、暗号化されたトラフィックの復号・検査を行うことで、マルウェアの侵入や機密情報の流出を防止。また、外部ファイル共有のツールとして活用しているBoxの利用では、DLP(Data Loss Prevention)機能により重要データの流出リスクを回避しています。
「DLPを使うことで、従業員がBoxにファイルを格納した瞬間に『機密情報を含む』といったラベルが付与され、ファイルの気密度に応じてユーザーの行うチェックを手厚くするなど運用を最適化する事が可能になりました。ラベリング処理は数秒です。この処理スピードもNetskope採用のポイントとなりました」
拠点などから直接インターネットにアクセスするローカルブレイクアウトなどにより、PC立ち上げ時間が十数分から1分以内に短縮、Web会議も快適かつスムーズに行えるようになりました。また従来、スマホのテザリングを使ってVPNソフトを起動しシンクライアントを利用していたのですが、今はWi-Fiにつながれば、どこでもセキュアな環境のもとで業務が行えます。
今後について「AIを活用し、ユーザーごとの挙動分析の高度化などを図っていきたいと思います。時代とともにセキュリティのアップデートは必要です。これからもNetskopeを最大限に活用したいと考えています」と三浦氏。続けて吉野氏は、「ゼロトラストのもとで、脆弱性のあるVPNからの脱却、回線の最適化などを進めていきます。またグループ全体のセキュリティ強化に向け、Netskopeによるイントラを横展開していきたいと考えています」と展望を語ります。
横浜銀行が実現したNetskopeのSASEによるゼロトラストは、他の地方銀行からも注目を集めています。石川氏は、今回の取り組みにおける社会的意義について言及します。「AI利用シーンの拡大、サイバー攻撃の増加に応え、金融業務を支えるイントラの構築は地方銀行の共通課題です。新イントラへの取り組みを通じて、国内地域金融機関の課題解決にも貢献していきたいと思います」
「地域にとってなくてはならない金融グループ」をめざす横浜フィナンシャルグループ。その中核となる横浜銀行の挑戦と成長を、Netskopeによるゼロトラストが支えていきます。
