レポートを読む:AI時代にCIOとCEOの連携を実現する方法
経費管理システム「楽楽精算」などの人気クラウドサービスを提供する株式会社ラクスは、日本のSaaS業界で急成長を続けています。 ラクスは、日本を代表する企業になるという長期ビジョンを掲げ、積極的に人員拡大と全国に新しいオフィスの開設を行っています。 この急速な成長をサポートするために、会社には従業員がどこからでも仕事ができる安全な環境が必要でした。彼らのソリューションは、クラウドネイティブのセキュリティ プラットフォーム Netskope です。
Rakus は、安全で柔軟な作業を確保するためにゼロトラスト アプローチを採用し、急速な拡大の中でも効率的な運用を可能にしました。Netskope は、他のソリューションと比較して、堅牢な Security Service Edge (SSE) 機能、操作の容易さ、シャドー IT に対抗する能力で際立っていました。
労働人口が減少していく中、ITサービスで企業の成長と働く人の幸福に貢献するラクス。2000年設立の同社は、経費精算システムにおいて国内有数のシェアを誇る「楽楽精算」をはじめとする、販売管理、勤怠管理など「楽楽クラウド」により快進撃を続けています。中期経営目標(2021年度から2025年度)では、2026年3月期に純利益100億円、純資産200億円の実現を掲げています。
同社は、年間数百人採用、全国各地で数拠点開設など事業基盤を急速に拡大。働く環境の提供では、セキュリティと利便性を両立したうえで、スピードと柔軟性が求められました。従来、同社のリモートワーク環境で利用していたのは、リモートから社内のデスクトップを動かすリモートデスクトップでした。パフォーマンス不足やVPN接続時の手間、VPN装置の攻撃リスク増大などの課題に加え、社員1人につきPCを2台支給していたためコストと運用工数が増大。運用効率化のためにVDI(仮想デスクトップ)を検討したのですが、コスト面で断念した経緯がありました。
そこで同社は、急成長を支える環境としてゼロトラストに着目。「ゼロトラストにより、PC1台運用が可能となりVPNも不要です。人員増加に伴うPC運用コスト・工数の削減が図れます。また、セキュリティと利便性の両立、社内外でセキュリティレベルの維持を実現できます。さらに、拠点開設の際に、PCとインターネット環境でセキュアに業務が行えるスピード感も当社に適しています」と、ラクス 技術本部 情報システム部 大阪情報システム課 課長* 井上圭祐氏は話します。
他社製品は機能ごとに管理画面が異なり、使いにくいと感じました。Netskopeは1つの画面で運用管理できる点も評価しました
当初、同社は他社ゼロトラスト製品の検討を進めていました。セキュリティ強化の観点で懸念を持ったと井上氏は振り返ります。「当社の社員は、さまざまなクラウドサービスを活用し生産性向上を図っています。ゼロトラスト導入では、社員のクラウドサービス利用を可視化するCASB(Cloud Access Security Broker)が重要なポイントでした」
同社は、シャドーIT対策の観点から競合製品とクラウド型セキュリティプラットフォームNetskopeを比較しました。CASBに関して、運用レベルでクラウドサービスの可視化が可能かどうかを検討し、Netskopeの優位性を確認。セキュアな環境のもとで社員が快適に業務を行えるゼロトラストを実現できることが決め手となりました。そして、既存リモートデスクトップのコストを参考に、予算内に収まることを確認しNetskopeの採用を決定。「他社製品は機能ごとに管理画面が異なり、使いにくいと感じました。Netskopeは1つの画面で運用管理できる点も評価しました」(井上氏)
検証は、インターネット向け通信の可視化と、社内オンプレミス環境における安全なクラウドサービス利用の2つの観点が中心でした
2023年7月にNetskopeを採用しPoCを実施。「検証は、インターネット向け通信の可視化と、社内オンプレミス環境における安全なクラウドサービス利用の2つの観点が中心でした」と、ラクス 技術本部 情報システム部 大阪情報システム課 藤樹一善氏は話し、こう続けます。「すべての通信がNetskopeを通じて行われるため、移行に伴い利用できなくなるアプリケーションも出てきます。それを洗い出すためにスモールスタートで各部門に確認してもらいました。使えなくなったアプリケーションに対しては、Netskopeの許可ポリシーの設定を行うなど工夫を施し解決しました」
PoCによる検証を経て、同社は2024年7月より、Netskopeによるゼロトラストの全社展開を開始しました。新入社員や、PC交換時期が迫る社員、出張が多い部門を優先し、Netskopeのクライアントソフトウェアや必要なアプリケーションをインストールしたPCを配布。2025年度中の完了を目指します。
同社のNetskope導入をサポートしたのは、Netskopeのパートナー企業として先進のITソリューションを提供する東京エレクトロンデバイス(以下、TED)です。「日本語マニュアルがわかりやすく、ベストプラクティスも参考になりました。また、Netskopeの知見がなかった当初、説明会を開いてもら ってとても助かりました。さらに定例会も開催し、当社の要望提示はもとより、アップデート情報の提供も受けています。運用における疑問に対するレスポンスも迅速かつ的確です」と、ラクス 技術本部 情報システム部 大阪情報システム課 中村友則氏はTEDによるサポートを評価します。
パフォーマンス向上はもとより、VPNに接続する手間の解消はユーザーに好評です。ユーザーが意識することなく、セキュリティが保たれていることは、運用管理面でも非常に有益です
Netskopeの導入効果について「パフォーマンス向上はもとより、VPNに接続する手間の解消はユーザーに好評です。ユーザーが意識することなく、セキュリティが保たれていることは、運用管理面でも非常に有益です」と中村氏は話します。藤樹氏は「VPNは切断されるとセキュリティを担保できないことも課題でした。ゼロトラストにより、どこの場所で利用しても一定のセキュリティレベルの維持を実現できました。またIP単位ではなく、ユーザー単位で通信制御が行えるため、組織変更や人事異動時の管理も柔軟に対応できます」と付け加えます。
運用面で効果が大きかったのが、ファイアウォール台数の最適化です。「ゼロトラストにより境界型ファイアウォールの台数を必要最小限に絞っています。コスト削減はもとより運用の効率化にもつながります。また、拠点開設の際もファイアウォールを購入する必要もなく、投資抑制と展開スピードの両面で効果があります」シャドーIT対策では、Netskopeにより「誰が」「どのアプリを」「どのアカウント」で使っているか、「どんな操作」をしたかまで把握できるようになりました。「当社は、使用できる生成AIを規定しています。Netskopeにより生成AIなど最新サービスを可視化できる意義は大きいと考えています」(藤樹氏)
今後について井上氏は話します。「まだ活用しきれていない機能もありますので、それらを使いこなし、本来ルールではNGであるクラウドサービス利用の検証が次のステップです。Netskopeによりルールを厳格にしつつ、セキュリティと利便性のバランスを図っていきます」
Netskopeの導入により、社員が安心してパフォーマンスを発揮できる環境を提供するラクス。その快進撃は続きます。
*取材当時