阪急阪神ホールディングスグループの中核を担う総合不動産デベロッパーの阪急阪神不動産。同社は未来のまちづくりを目指す「DXビジョン」に取り組んでいます。その実現に向けて業務DXでクラウドシフトが進む中、セキュリティと利便性を両立するためにゼロトラスト基盤を構築するNetskopeを導入。クラウドサービスの可視化・制御、VPNからの脱却、リモートワークのパフォーマンス向上など、セキュリティを確保した上で働き方をアップデートし、「DXビジョン」の実現を加速しました。
100年以上にわたり、魅力あふれる沿線づくり、まちづくりに貢献してきた阪急阪神ホールデ ィングスグループ。阪急阪神不動産は、その中核会社として、分譲マンション「ジオ」をはじめとする住宅事業、オフィスビル、商業施設、都市開発などを展開する総合デベロッパーです。同社は、国際交流拠点を目指す大阪梅田エリアで、うめきた2期地区開発事業、柴田1丁目計画など各種プロジェクトを着実に推進。また、沿線開発で培ったノウハウを活かし、首都圏エリアに加え、アジアを中心に海外事業も拡大しています。
同社は、デジタル技術を活用し、次の100年間も「お客さまから真っ先に選ばれるサービスや体験」を提供し続けるデベロッパーを目指す「DXビジョン」の実現に取り組んでいます。同社のDXを牽引するDX推進部について、経営企画本部 DX推進部 コアITマネジメントグループ 兼 DX企画推進グループ 課長 清家邦晴氏は話します。
「DX推進部は業務DX、事業DX、価値DXの実現に向けて各部門と一緒に歩んでいきます。その取り組みは当社だけでなく不動産部門のグループ会社全体が対象になります。その中で、コアITマネジメントグループは社内の情報システムを担当しています」
業務DXの観点では、セキュリティと利便性の両立により働き方のアップデートが求められました。その鍵となったのが、ゼロトラストを実現するNetskopeでした。
既存のリモートアクセスは、国内データセンターのサーバーで認証を行っていたため、海外拠点では通信の折り返しによる遅延が生じていました。加えて、国内でもリモートワーク時の接続が不安定になるケースがありました。
DX推進では、クラウドサービスの活用が欠かせません。従来の課題について、同社 経営企画本部 DX推進部 コアITマネジメントグループ 石神充氏は振り返ります。「クラウドシフトしていく中で、サービスに対してアクセスの可否だけでなく、閲覧、アップロード、ダウンロード、投稿など柔軟な制御が必要でした。それを実現するには、既存のフィルタリングでは限界がありました」
セキュリティの観点から、同社のストレージサービスは基本的にBoxを利用しています。しかし、不動産業は協業が多いことから、プロジェクトごとに使いたいストレージサービスが異なるケースもあります。「当社だけブロックするわけにはいかないため、セキュリティポリシーを遵守したうえで対応可能な方法として、当部が代理でファイルをダウンロードし、Boxに保管する運用を行っていました。ただ、対応件数が増えるにつれ運用面での負荷が高まっていきました」(石神氏)
セキュリティの強化に向け、シャドーITの管理、脆弱性のあるVPNからの脱却も重要なテーマでした。また、既存リモートアクセスのパフォーマンス面にも課題がありました。その要因について、同社 経営企画本部 DX推進部 コアITマネジメントグループ 兼 DX企画推進グループ 課長補佐 松川正一氏は話します。「既存のリモートアクセスは、国内データセンターのサーバーで認証を行っていたため、海外拠点では通信の折り返しによる遅延が生じていました。加えて、国内でもリモートワーク時の接続が不安定になるケースがありました」
2023年、同社は安全で利便性の高いクラウドサービスの活用、リモ ートアクセスの課題を解決するためにゼロトラスト製品の選定に入りました。既に取引のあった丸紅ITソリューションズに相談したところ、Netskopeの紹介を受けたと石神氏は話し、付け加えます。「丸紅ITソリューションズを通じて実際にNetskopeを導入した企業に訪問し、話を聞くことができました。当社の課題を解決できるという印象を持ちました」
他社製品と比較し、Netskopeの優位性について石神氏は話します。「Netskopeは、CASB(Cloud Access Security Broker)、 SWG(Secure Web Gateway)、ZTNA(Zero Trust Network Access)などの機能を統合し提供しています。それに対して、他社製品は複雑な構成になっていると感じました。また、クラウドサービスの許可も細かく設定・制御できる点を高く評価しました。ブロックするカテゴリーも既存フィルタリングに比べて高度で、生成AIサービスの制御も可能です。カテゴリーは適宜更新されるため、最新のクラウドサービスにも対応できます」
清家氏は、「安心・安全なリモートワークの観点では、VPNを利用しない環境とクラウドサービスを可視化するCASBをセットで利用できる点がポイントになりました」と強調します。
安心・安全なリモートワークの観点では、VPNを利用しない環境とクラウドサービスを可視化するCASBをセットで利用できる点がポイントになりました。
同社は2024年9月から3カ月間にわたりNetskopeのPoC(概念実証)を実施。「アプリが動かないものに関して、丸紅ITソリューションズの支援を受けながらNetskopeの設定を変更することで1つ1つクリアしていきました」(石神氏)
PoCの結果を受け、2025年3月から環境構築をクライアントインベントリ 開始し、2025年8月に全社展開を実施。そのプロセスでPoCでは顕在化しなかった課題に直面しました。
「全社展開で導入PC台数が増えるほどWORKGROUP に、週明けに集中する更新データなどにより通信量が一気に増大しました。丸紅ITソリューションズに相談し、必要なもの以外はネットワークのルートを変更しボトルネックを回避しました。丸紅ITソリューションズには、ワンチームで当社のNetskopeの導入・運用に取り組むことができたことを感謝しています」(清家氏)
Netskopeによるゼロトラストの仕組みは、デバイスにエージェントをインストールすることで、すべての通信をNetskope経由で行うことが基本です。ユ ーザーは特別な操作を意識することなく、常にセキュリティが確保された環境で業務を行えます。ZTNAによる脱VPNの実現とともに、インターネットに直接アクセスするローカルブレイクアウトで国内外のモバイル環境においてパフォーマンスが向上し、ユーザーから評価する声があがっています。
シャドーITについては、無償・有償アカウントの違いも含めて、より細かく管理していきたいと思います。また、クラウドサービスをより効果的に活用するため、サービスの棚卸しにも取り組んでいきます。
NetskopeのCASBにより主要なクラウドサービスを柔軟に制御し、安全に利用できるようになりました。投稿を制限する設定を行うことで、代表的なSNSやYouTubeなども閲覧可能とし、利便性を高めています。「シャドーITについては、無償・有償アカウントの違いも含めて、より細かく管理していきたいと思います。また、クラウドサービスをより効果的に活用するため、サービスの棚卸しにも取り組んでいきます」(石神氏)
ユーザーに対しブロック解除を自動申請する仕組みも作りました。その効果について、松川氏は説明します。「許可してはいけないクラウドサービスの申請も多く寄せられました。許可できない理由を説明することで、シャド ーIT利用の抑止にもつながっていると思います」
Netskopeの導入により社用スマートフォンに固定IPを付与することで、従来のIP制限によりスマートフォンで使えなかったサービスを解放できます。「Netskopeのユーザーコミュニティの情報交換で、固定IP導入企業のご意見も知れました」(清家氏)
最後に、今後の展望について清家氏は話します。「当社で得たNetskope導入・運用管理のノウハウのもと、不動産部門のグループ会社にも展開し、全体のセキュリティ強化、利便性の向上を図っていきたいと思います」
Netskopeによるゼロトラスト基盤は、セキュリティと利便性の両立を図り、阪急阪神不動産の「DXビジョン」実現を加速します。
