レポートを読む:AI時代にCIOとCEOの連携を実現する方法
現在、パーソルグループの国内従業員約3万人がクラウドサービスを安全かつ効率的に利用し、安心・安全な環境で生産性を高めています。
人材は企業活力の源です。労働力不足が社会課題となる中、人材ビジネスの重要性は日増しに高まっています。2030年に100万人のより良い“はたらく機会”の創出実現に向け、テクノロジードリブンの人材サービス企業への進化を経営の方向性に定めDXを推進。その一環として、顧客体験・従業員のはたらく体験の良化と新たな価値創造を目指し、生成AIの活用にも積極的に取り組んでいます。
100万人のより良い“はたらく機会”を創出するためには、事業拡大、生産性向上が欠かせません。同社は、重要データを扱うトップリスクを回避しながら、柔軟なはたらき方を高めるべくゼロトラストに着目。背景について、同社 グループIT本部 セキュアアクセスインフラ部 セキュアネットワーク室 室長 井田雅人氏は話します。
「当社では、自分らしいはたらき方を社員が主体的に選択することを推奨する考え方があり、コロナ禍を経てリモートワークが定着しました。一方、新しいはたらき方に伴う課題にも直面しました。ファイアウォールで守る境界型セキュリティの限界と、ユーザーのクラウドサービス利用ニーズ拡大への対応でした。2020年に課題解決に向け、社内外を問わずセキュリティを確保できるゼロトラストの検討を開始しました」
同社のゼロトラストプロジェクトで最初に取り組んだのは事業部門に対する説明でした。「ゼロトラスト実現により、既存のオンプレミスプロキシからクラウドプロキシへシフトします。ネットワーク環境が大きく変わるため、事業部門に対し導入意義や業務プロセスの変化などの説明が必要でした」と同社 セキュアネットワーク室 リードコンサルタント 羽石雄基氏は話し、こう続けます。「事業部門からセキュリティと利便性に関して要望も聞きました。それらをまとめ、プロジェクトで重視したい項目を加え、400項目に及ぶ製品比較表を作成しました」
Netskopeポータルを作成し、利用ガイドラインやQAを整備しました。また、グループ会社のセキュリティ担当者向けに勉強会を開催し、Netskopeの活用方法を一緒に検討しました。
同社は製品比較表に基づき、ゼロトラスト製品を詳細に検討。その結果、2022年10月にクラウド型セキュリティプラットフォームNetskopeの採用を決めました。クラウドプロキシ、URLフィルタリングなど必須要素に加え、3つのポイントが決め手になったと羽石氏は説明します。
「1つめは送信元IPの固定化。顧客取引上の要件として、パーソルグループ環境からのアクセスであることの担保を求められるケースがあるためです。2つめは操作レベルでの制御。アップロード不可にしても閲覧できるなどユーザーの要望に応える機能です。3つめは、HTTPS通信の復号化。ユーザーとWebサイトとのやりとりの詳細を可視化できます。さらに、CASB(Cloud Access Security Broker)、ZTNA(Zero Trust Network Access)、クラウドファイアウォールなど拡張性もポイントとなりました」(羽石氏)
今回、Netskopeの導入・展開は旧プロキシからの移行が中心でした。Netskopeのサポートも受け、旧プロキシとの並行稼働や、スモールスタートによるリスク低減などの工夫を行い、ダウンタイムなく移行を完了できました。
グループ会社に対するNetskope展開では「Netskopeポータルを作成し、利用ガイドラインやQAを整備しました。また、グループ会社のセキュリティ担当者向けに勉強会を開催し、Netskopeの活用方法を一緒に検討しました」と、同社 セキュアネットワーク室 シニアコンサルタント 大川直人氏は振り返ります。
インターネットブラウザを使った通信はもとより、PCからインターネットにアクセスする通信のすべてを、Netskopeで一元管理できます。
2023年末にパーソルグループにNetskopeの展開を完了。2024年より利用を開始しました。2025年5月現在、パーソルグループにおいて国内約3万人の社員が利用しています。 「既存の社給PCに対して、Netskopeのソフトウェアを段階的に導入しました。その結果、PCの稼働には影響を与えず導入を終えることができました」(大川氏)
2022年10月のPoCから現在までNetskopeは安定稼働しています。ユーザーから通信品質が改善したとの声もあがっています。「当グループでは、リモートワークの利用拡大に伴い、オンプレミスデータセンターにトラフィックが集中し滞留が起きていました。業務で必ず利用するメ ール、クラウドサービスなどの通信を、Netskope経由にしたことでデータセンター内の通信量を削減できました」と、Netskopeの導入効果について、羽石氏は話します。
また、ユーザーの利便性とともに運用負荷の軽減も図れました。「操作レベルでの制御が可能になったことにより、ユーザーは手間もなく、必要な時にすぐにクラウドサービスを利用できます。また、情報システム部門、セキュリティ部門もセキュリティ審査などの工数を大幅に削減できました」(羽石氏)
セキュリティ強化の観点では、クラウドファイアウォールの活用は重要なポイントになると、大川氏は話し、こう続けます。「インターネットブラウザを使った通信はもとより、PCからインターネットにアクセスする通信のすべてを、Netskopeで一元管理できます。2025年9月にはNetskopeユーザーとなる国内グループ社員3万人すべてをカバーします」
今回、当グループの事業を支えるゼロトラスト基盤を構築できました。ポイントは、インターネット向け通信が集約され、ログが見えるということ。それを利用しさまざまな施策を打つことができます。
クラウドサービスの利用拡大に伴い、情報漏洩防止の観点からシャド ーIT対策が求められています。「CASBを使うことで、アプリケーションレベルで通信を可視化できます。シャドーITの利用状況が一目瞭然です。またシャドーITのリスクを評価するスコアリング機能により、許可・不許可の判断材料となります。ユーザーとの調整もデータに基づくことで理解を得やすくなると思います」(大川氏)
Netskopeのデータを可視化するダッシュボードを作成していると大川氏は付け加えます。「IT担当者、セキュリティ担当者が情報を共有することで、インシデント対応やセキュリティ対策の迅速化、的確化が図れます。Netskopeを活用しセキュリティ運用を改善していくことが重要なテーマとなります」
今後の展望について井田氏は次のように話します。「今回、当グループの事業を支えるゼロトラスト基盤を構築できました。ポイントは、インターネット向け通信が集約され、ログが見えるということ。それを利用しさまざまな施策を打つことができます。今後、機械学習により振る舞いを検知するUEBA (User and Entity Behavior Analytics)など、NetskopeのAI活用にも期待しています」
「はたらいて、笑おう。」をビジョンに掲げるパーソルグループ。 Netskopeによるゼロトラストは、同グループの成長と社会課題を解決する取り組みを支えていきます。